Introduction to Japanese Study - 日本語学習入門
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のように文末に「か」を付けて作るのですが(簡単ですね)、この「か」も助詞の一種で、「文末助詞」sentence particleと呼ばれています。 動詞の後にさまざまな要素が付く言語 助詞とともに、動詞も重要です。もちろん、どの言語でも動詞は文の中心というべきものですが、日本語の場合、特に重要なのは、動詞の後にさまざまな要素が付くからです。先程の「飲みました」も、実は、基の形は「飲む」drinkで、これに「ました」という要素が付いています(「飲むnomu」の最後のuは「ました」の前でiに変わります)。「ました」は、さらに分析すると、politeに述べることをあらわす要素(これについては、何回か後で述べます)と、過去をあらわす要素とからできています。 同じ「飲む」から作られるさまざまな形をいくつかあげてみましょう。まず、たとえば「飲まない」(「ない」 が否定をあらわす)、「飲んだ」(「だ」が過去をあらわす)、「飲んでいる」(「でいる」が進行をあらわす)などのように、否定や時制をあらわす要素が付きます。さらに、たとえば「可能」「使役」「受身」「モダリティ(英語でいえば、may,must,let's……などのような意味)」をあらわす要素も、動詞の後に付きます。「飲める」(可能)、「飲ませる」(使役)、「飲まれる」(受身)、「飲むだろう」(推量)、「飲もう」(意志)などのようにです。英語では、動詞の後に付くのは、-ed,-ing,-sだけで、not,can,mayなどは、動詞とは別のところに置かれますね。日本語では、それらがすべて動詞の後に付くのです。 さて、日本語はこのような言語ですから、助詞はとても大事です。個々の助詞について、たとえば「と」はこういうときに使う、「で」はこういうときに使う……といったことは、かなり一般化して捉えることができるので、初級の段階から、かなりしっかり身につけることができますし、また、そうしていく必要があります。 ただ、一般的なルールだけでは捉えきれない部分もあります。それは、たとえば英語の前置詞についても、外国人にとっては、どうしてここがonではなくてinなのだろうといったことが時々あるのと同じようなものです。助詞に限りませんが、《一般的なルール・傾向》と《個別的に覚えなければならない部分》とを、賢く習得して行ってください。 なお、助詞には、名詞の後に付くものだけでなく、ほかにも、いくつかの種類があります。 たとえば、日本語の疑問文は、語順を変えたりせずに、 (5)田中さんはお茶を飲みましたか。(Did Tanaka drink tea?) 6

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