◆ 日本語って、どんな言葉?日本語の文の基本的な仕組み;SOVで、助詞が重要な言語 2 まず、日本語を全く知らない読者を想定して、日本語の文法の簡単な紹介をしましょう。 日本語で特に大事なのは、助詞と動詞です。 はじめに、日本語の簡単な文を1つ見てみましょう。 (1) 田中さんはお茶を飲みました。(Tanaka drank tea.) この文は「田中さんは」「お茶を」「飲みました」と、3つの部分に分かれます。「田中さんは」のうち、「田中さん」は名詞で、人の名前です(「田中」がfamily name、「さん」はMr.やMs.にあたる言葉です)。「は」は助詞particleと呼ばれるものです。「お茶を」のうち、「お茶」は名詞で、teaです。「を」は助詞です。そして「飲みました」がdrinkにあたる動詞の過去形です。 主語・目的語・動詞の順に言葉が並んでいますね。そうです、日本語の基本語順はSOVなのです。 助詞の「は」「を」は、何のために付いているのでしょうか。「を」のほうから説明しましょう。簡単にいえば、「を」は「目的語のしるし」object markerです。「を」の前の「お茶」が目的語であることを示します。「は」は「主語のしるし」subject markerです(と、この段階では説明しておきましょう)。 ついでに、次の文も見てください。 (2) 田中さんは佐藤さんとお茶を飲みました。(Tanaka drank tea with Sato.)(2)を(1)と比べると、「佐藤さんと」という部分が増えていますね。「佐藤さん」は人名、「と」は助詞で、英語でいえばwithのような意味をあらわします。「佐藤さんと」で“with Sato”です。 (3)田中さんはきっさてんでお茶を飲みました。(Tanaka drank tea at a coffeeshop.)
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