(以上は、「東京大学日本語教育センター・ニュース」34号に掲載の菊地康人〈本センター元教授〉「日本語の特徴を知って効果的に勉強しよう(2) 動詞とその活用」とほぼ同じ内容です。) テ形の習得がその後の勉強の成否を分ける このように、辞書形をもとに活用のタイプを識別した上で、それぞれのタイプのルールに応じて基本4形を作れるようになればいいわけですが、4形のうちいちばん大変なのは、テ形です。というのは、テ形の作り方については、タイプIの中がさらにいくつものサブタイプに分かれるからです。詳しくは、教室で勉強してください。しかし、これも、ルールははっきりしているので、ルールをしっかりおさえながら練習を重ねることです。テ形は、「……ている」be…ing、「……てください」please…、「……てもいい」may、その他さまざまな用法で使われ、とても使用頻度が高いので、初級前半でテ形がすらすら作れるようになることは、その後の日本語の上達にとって必須の条件です。基本4形の中でも、最も大変で、また使用頻度も高いテ形をしっかり習得できるかどうかは、その後の勉強の成否を分ける、初級での最重要のポイントといってよいでしょう。 以上、長くなりましたが、重要な〈動詞の活用〉の話をしてきました。ルールをしっかりおさえて理詰めで学習する面と、練習や慣れによってそれを確かなものにしていく面と、両方が必要です。ぜひ、がんばってください。 大事な点のまとめ : 日本語学習へのアドバイス(2) 動詞の活用は最初級の最大のポイント。 1. 活用のタイプを識別する(ルールがある)。 *辞書形をもとに識別する。 2. それぞれのタイプの基本4形の作り方を習得、習熟する(ルールがある)。 3. 辞書形をもとに考える習慣を身につける。 20
元のページ ../index.html#23