Introduction to Japanese Study - 日本語学習入門
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と並べて比較してみると、「飲む」と「食べる」とでは変化(活用)の仕方が違うことに気づくでしょう。ルールがあるといったではないか、これは何事だ、と思われるかもしれませんが、実は、「飲む」と「食べる」とでは、活用の仕方のタイプが違うのです。「飲む」を「タイプI」、「食べる」のほうを「タイプII」と呼ぶことにしましょう。母音が変わるタイプと、変わらないタイプです(伝統的な文法用語を知っている人のために注釈を加えると、前者はいわゆる五段活用、後者はいわゆる一段活用です)。それぞれのタイプごとに、それぞれのルールにしたがって変化するのです。 一体いくつタイプがあるんだろう、10も20もあるのなら日本語なんか勉強しないよ、という声が聞こえてきそうですが、ご心配なく。ほとんどの動詞は「タイプI」か「タイプII」のどちらかです。このほか「タイプIII」もありますが、これに属する動詞は「する」do、「来る」comeの2語(と、その複合語)だけなので、すぐ識別できますし、例外と位置づけてもよいものです。これ以外のすべての動詞は、「タイプI」か「タイプII」のどちらかに分けられるのです。動詞の変化のタイプが何十とある言語もあるのですから、それに比べて日本語はかなり学習しやすい言語だと思います。 活用のタイプの識別 さて、そうすると、大事なことは、この2つのタイプの識別ということになりますね。どちらのタイプかを認識せずに変化させると、活用のさせ方を間違ってしまうことになります。どうしたらいいでしょうか。ですが、これもご心配なく。実は、この2つのタイプを識別するには、また、ちゃんとルールがあるのです。 辞書形の最後の3つのアルファベットが-eruか-iruならばタイプII、そうでなければタイプI というルールです。たとえば「okiru(起きる)」〈get up,wake up〉や「neru(寝る)」〈go to bed, sleep〉はタイプII、「hanasu(話す)」〈speak〉や「kiku(聞く)」〈listen,hear〉はタイプIです。こうして識別した上で、それぞれのタイプのルールに応じて変化させればいいわけです。 16 「飲む・飲みます・飲まない・飲んで」 「食べる・食べます・食べない・食べて」 活用のタイプ - タイプ I とタイプ II - ところで、今、「飲む」と「食べる」という2つの動詞を例に、それぞれの基本4形を示しましたが、これを

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