Introduction to Japanese Study - 日本語学習入門
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このうち(1)は辞書に載っているいわばinfinitiveにあたる形、(3)は否定形、(2)(4)は使用頻度のとても高い形です。この4つの形をここでは基本4形と呼ぶことにします。(初めに習う「飲みます・飲みました・飲みません・飲みませんでした」が基本4形なのではありません。これらはみな上の(2)の系列です。ほかに(1)(3)(4)の3系列を加えて、基本4形ということになります。) この4形をきちんと身につけてしまえば、これ以外の形に広げていくことは、それほど困難なことではありません。一方、この4形がしっかり身についていないと、その先の上達は、まず期待できません。基本4形(特にいちばん厄介な(4)のテ形)をしっかり身につけることが、最初級段階の最も大切な学習課題だといってよいでしょう。冒頭で、「動詞の変化の初歩を勉強する時期が、いちばん大事な時期」だと言いましたが、それは、この「基本4形を勉強する時期」ということです。この時期が、日本語学習の成否を分ける最初の勝負の時期なのです。 しかし、心配することはありません。この4つの形の作り方(活用の仕方)にはちゃんとルールがあるので(それについては教室で勉強してください)、それをおさえながら慣れていけば、問題なく習得することができます。ルールをきちんと勉強しなかったり甘く見たりすると失敗する、というだけのことです(もっとも、そういう学生が時々いるので、この文章を書いているわけですが)。 14 (1) 辞書形(例「飲む」「食べる」) (2) マス形(例「飲みます」「食べます」) (3) ナイ形(例「飲まない」「食べない」) (4) テ形(例「飲んで」「食べて」) 基本的な4つの形 そこで、日本語の勉強では、このような動詞の変化のさせ方(「活用」と呼んでいます)を身につけていくことが重要になります。大変そうに思えるかもしれませんが、ルールをしっかりおさえながら慣れていけば、難しいことではありません。今日は、いくつかのポイントをアドバイスしましょう。 動詞の変化形は、今触れたような複雑に組み合わせたものまで数えれば、とてもたくさん種類があることになりますが、基本的なものだけならば、そう多くはありません。中でも、次の4つの形が最も基本的なものです。「飲む」drinkと「食べる」eatを例として、示しましょう。

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